学習障害(LD)と知的障害の違い

知的障害とLDとの違いは何でしょうか。  

学習障害とLDとの違いは、知能指数(IQ)を元に考えることができます。 

一般的なウェスクラー式の知能検査による知能の段階表は以下の通りです。

  

IQ130以上 非常に優れている 

IQ120~129 優れている 

IQ110~119 平均の上 

IQ90~109 平均 

IQ81~89 平均の下 

IQ70~80 境界線 

IQ70未満 知的障害 


 つまり、ウェスクラー式での知的障害とはIQ70未満のことです。  


次にLDですが、大まかに以下のいずれかの場合、LDの傾向・疑いがあると見なせます。(厳密な判断は難しいですが) 


・全体的なIQが70~89程度の場合(境界線~平均の下)

・全体的なIQは90以上だが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」に関連する領域のIQが89以下  


厄介なの後者の方です。 

なぜなら、後者の方がわかりにくく、発見が遅れやすいからです。 


仮に早期に気づいてWISC(ウェスクラー式の児童向け知能検査)等の知能検査を受けたとしても、全体的なIQが90以上だということで安心してしまう方も少なくありません。 

不安を抱えて相談・検査に行くわけですから、誰でも安心材料が欲しくなりますよね。 

その気持ちは理解できますが、知能検査を受ける目的は一時的な安心材料を得るためではなく、お子さんの弱点を知り、「長期的な教育方針を決める材料を得ること」です。 


一つでも弱点がある場合、LDの可能性があると考え、弱点と向き合うことをお勧めします。  

※正式な診断は専門医に継続的に通い、経過を追いながら確定することをお勧めします。