中学受験による進学

お子さんが発達障害(LD/ADHD/自閉症スペクトラム)・グレーゾーンだからこそ「より良い環境へ入れてあげたい」「今の環境を変えてあげたい」「少しでも将来の選択の幅を広げたい」と考え、中学受験を検討されるご両親も多いかと思います。 

中学受験には以下のようなメリットがあります。

 

[中学受験のメリット] 

・特性や能力に合わせて学校を選択することができる

・イジメやからかいがひどい場合、学校環境を変える機会となる 

・公立中学よりも少人数で面倒見の良い環境を選ぶことができる

・大学進学実績が入学時点で同レベルの公立よりも良い学校が多い


とはいえ、中学受験はかなり特殊な受験といえます。 


[中学受験の4つの特殊性] 

1.学校の勉強と中学受験の内容は全く別物 

中学受験では小学校で習う内容を大きく超える難易度のものばかりが出題され、小学校の勉強と中学受験の内容は全く別物です。 

特に算数ではその傾向が強く、つるかめ算・ニュートン算・旅人算などの“特殊算”という独特の解法が求められます。 

つまり、いくら小学校での勉強ができるお子さんでも、それとは別に“中学受験の勉強”を開始しなければ、中学受験に挑戦することはできません。 

また、多くの問題の解法が独特のため、中学受験用の解法で教えないと、お子さんを混乱させてしまいます。 


 2.進学塾は予備校 

「学校で習ったことを進学塾に通うことによって定着させる」という図式の高校受験とは違い、「進学塾で初めて中学受験の内容を習い、習ったことを家庭学習によって定着させる必要」があります。 

つまり、“進学塾”は中学受験のサポートをしてくれるところではなく、中学受験のカリキュラムを提供してくれる“予備校”でしかありません。 

ですから、各塾のシステム・特徴を十分に把握し、各塾に合わせた家庭学習のやり方を構築する必要があります。 


3.志望校別に問題傾向が違う 

中学受験生は毎月のように模擬試験を受けますが、志望校に偏差値が届けば合格できるわけではありません。  

志望校別に問題傾向が違うため、偏差値が届くことに加え、過去問対策が必要になります。 

極端に言えば、偏差値が届いていても、過去問対策が不十分であれば、合格できません。 

また、早い段階で志望校を決めておかなければ、学習の方向性を決定できないため、大きなデメリットとなります。 


 4.ご両親のサポートが前提となる 

中学受験は難易度が高いため、宿題をやっていると必ず分からない問題が出てきます。  

解説が全て丁寧に記載されているわけではなく、また塾の先生へ質問することも限界があるため、ご両親が問題の解答・解説のサポートを行う必要があります。 

また、計画的な学習が求められるにも関わらず、小学生の経験値では自身で学習計画を立てることは事実上不可能です。  

学習計画においてもご両親のサポートが前提となっている受験といえます


中学受験の特殊性への具体的な対策を講じた上で学習をスタートすることをお勧めします。

発達障害あんちょこ

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