文章読解の基本的な対応について

先日読字障害について紹介させて頂きましたが、学習面では文章読解が苦手なことな原因として読字障害と文章読解そのものが苦手の二つがあります。そこで今回は読字障害と文章読解が苦手なことの違いを説明しながら、文章読解への対応をご紹介していきます。

読字障害と文章読解が苦手なことの一番の違いは「文章を読み上げて理解できるか」になります。読字障害のみのお子様だと、文字の認識が苦手なため文章を話してあげると理解が進みます。逆に文章読解が苦手なお子様だと単純な読み上げでは理解が難しいですこれは文章読解に関わる脳機能である言語理解、推論やワーキングメモリが弱いことが考えられます。これらの機能が弱い場合

・言葉や短文レベルでの意味理解が難しい
・部分と部分の関係理解が難しい
・推測が難しい
・読んだことを記憶しながら読み進めるのが難しい

等の傾向が現れます。そのためこれらの傾向に合わせた対応が必要となってきます。


文章読解の対応ですが、文章読解が苦手なお子様の場合ほとんど文章を読むことを嫌がります。そのため教材選びから大切になります。教材選びはお子様のレベルに合わせたもの、お子さまの興味を引くもの、短文のもの等を使うことから始めます。またお子様本人の体験を文章化したものを、教材として利用するのも効果的です。これはお子様自身が体験しているために、文章理解が進みやすいからです。

文章読解の際の注意点としては、読解と音読を一緒にしないことです。ワーキングメモリが弱いお子様の場合、音読に注意がいってしまい内容の意味理解が難しくなる場合があります。そのため音読を行わせる時間と読解(文章理解)の時間をしっかり分けて指導することが大切です。

傾向ごとの指導のポイントとしては

・言葉や短文レベルでの意味理解が難しい→わからない言葉を今までの知識と関連づけながら説明する
・部分と部分の関係理解が難しい→選択肢を用意し、どれが主題かを選ばせる。
・推測が難しい→登場人物の心情等を順序立てながら説明する
・読んだことを記憶しながら読み進めるのが難しい→段落の関係をフローチャートのような図で表す。段落ごとの内容をまとめて書いておく

等が挙げられます。

また文章全体の把握が苦手なお子様には文章の内容や題名を考えるといった指導もあります。この指導では正解を答えさせるのではなく、お子様が考えた内容や題名からお子様が見逃している文章要素を見つけ出してフォローすることが大事になります


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