口頭言語のつまずきへの対応

以前口頭言語(聞く話す)のつまずきについて説明させて頂きましたが、実際のお子様のお話しの受け答えには主に口頭言語のつまずきと語彙が少ない等の言葉そのもののつまずきが大きく関係します。両者が関係しているお子様もいらっしゃいますが、今回は①口頭言語(聞く話す)のつまずきへのペアレントトレーニング②言葉そのもののつまずきへのペアレントトレーニングに分けて対応例を説明していきたいと思います。まずは口頭言語のつまずきについてです。


言葉の理解力と聞く話すの苦手を理解する

何より重要なことはお子様への理解です。言語と聞く話すのどちらにつまずいているのかを確認しましょう。また聞く話すについては聞けないのか?話せないのか?それとも聞く話すの両方できないのか?どの状態であるかも把握しましょう。その原因に沿ってトレーニングを進めましょう。

またトレーニングを進める際に気を付けて頂きたい点が2点あります。それは答えを急かさない点と答えられないことを叱らない点です。苦手なお子様は急かしても、答えられるようにはなりません。急かすのではなく、答えられるように上手く誘導してあげましょう。学校では授業の関係で急かされる場合がありますので、ご家庭では尚更急かさずに答えを出すまで待ってあげましょう。また答えられない事を叱ったり、罰を与える等の行為も厳禁です。お子様はわざと答えないのではなく、頑張っても答えられず本人が一番苦しんでいるのです。苦しんでいる時に叱ったり罰を与えてしまうと余計に苦手意識が強くなり、聞く話すことを更に避けて練習が出来なくなってしまいます


(1)ホワイトボードやノート等の書くものを活用する

言語力のあるお子様の場合、聞く話すが出来なくても読み書きは出来ます。そのため口頭の指示を書き出してお子様が「聞く」動作を「読む」動作に置き換えることで指示への理解力が跳ね上がります。またお子様が話す内容を書き出すことで「話す」動作を「書く」動作に置き換えて伝えることが出来ます。お子様が話したい内容を文章を書き切れない場合もよくあるかと思います。その際は絵や図を書いてもらう、場合によってはご両親側が絵や図を書いて、その図を基に話してもらうと良いでしょう。

そして書き出したものを親も子も読み上げて音にすることで、聞く話すの練習を行うことが出来ます。このやり方の場合、お互いのやり取りに非常に時間がかかります。さらに聞く話すが苦手なお子様は文章でのやり取りに慣れてしまうと、文章だけでのやり取りに逃げることがよく発生します。ですので練習の時間を区切る、聞く話すが上手く出来たらしっかり褒めたりすることでお子様の苦手意識に付き合っていきましょう。


(2)家庭の日常会話で質問を練習する

家族間での日常会話の中で、お子様に質問をして聞かれたことに答える練習をしましょう。例えばテレビ番組の内容、学校のこと、明日の予定について質問する。大事なことはお子様が簡単に答えやすい形で質問をすることですはい、いいえで答えられる、もしくは選択肢のある質問形式が答えやすいので、この形式から始めて聞かれたことに答える受け答えを繰り返し練習しましょう。質問に答えられるようになったら徐々に選択肢のない質問をして成長を促しましょう。


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