視空間認知と発達障害
「視空間認知」という言葉をご存知でしょうか。
人間の見るという動作は
1.「眼球運動」…動いている物体を目で追う、ピントを合わせる
2.「視空間認知」…目で見た情報を脳で処理する
3.「目と体の連動」…目で見たものに合わせて体を動かす
の三つに分けられており視空間認知は脳で処理を行う為、脳機能の偏りがある発達障害が視空間認知能力が低い背景にある場合がございます。
そこで今回は視空間認知の説明を行い、別記事で視空間認知の訓練をご紹介したいと思います。
視空間認知とは目から入った視覚の情報を処理し空間の全体的なイメージをつかむための機能です。物との距離感や奥行き、文字や形を把握するときに使われます。
目でとらえた映像は、そのままだと「点」「線」「色」などの単なる情報にすぎません。しかし私たちは「3本の縦線」を見ると漢字の「川」であることがわかりますし、平面である地図の情報を見て自分の現在地がどこかを把握し実際に目的地までたどり着くことができます。
これらはすべて視空間認知の機能のおかげです。
「ただ単にものを見る」ための視覚のシステムは生まれたときにはほぼできあがっていますが視空間認知は発達とともに身についていくものです。この機能を身につけていくためには実際にものを見たり触ったり、興味のあるものを目でとらえて手を伸ばしたりと空間の中で目や体を使う経験が必要です。
ただし視空間認知が弱いと
・探している本を本棚から見つけることができない
・ぬり絵をするとき枠からはみ出たりすきまだらけになる
・教科書の中から特定の単語を探し出すことができない
・図形の問題が苦手
・ダンスを見て覚えたりまねしたりするのが苦手
といった症状が出てきます。
視力の問題はともかくこのような「見えにくさ」の問題は、子どもが自ら気づくことは少なく周りもなかなか気がつかないことが多いです。
気づいた時にどういった対処が出来るかについては別の機会にご紹介したいと思います。
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