発達障害と環境の変化
感覚や物事の感じ方に特徴のある発達障害のお子様は突然の環境の変化に弱いことが多いです。特に自閉症スペクトラム(ASD)の傾向のあるお子さんは環境の変化に弱く、パニックになってしまう子も少なくありません。これは自閉症スペクトラム(ASD)の特徴の一つである「想像力が弱く興味の範囲が狭い」ことが大きな原因です。想像力が弱いことから、今後の予測や状態の変化を考えることが難しく、不安と緊張を感じ変化を嫌がってしまいます。
そこで今回はお子様によく起きる環境の変化と、逆に安心しやすいものをご紹介したいと思います。
①時間割の変化
予め定まっているはずの学校の時間割が変更になる事や普段と違う教室に移動したり違う内容の授業を行ったりすると、急な変化になるためにパニックになってしまうことがあります。
②学校の行事
また多くの生徒が楽しみにしている「遠足」「校外学習」「運動会」「授業参観」などの学校行事も、授業とは全く違うので何をするのか予測が出来なくなってしまいます。
学校行事で子供が一番パニックになるのは、なんといっても避難訓練です。通常の避難訓練は抜き打ちで行われ、非常ベルを鳴らすこともあります。急に校内放送や非常ベルが鳴り、響き緊迫した状況の中で「机の下に潜れ」「校庭に避難」といわれても何がなんだか分からなくなってしまいます。中には避難訓練の後に非常ベル自体が怖くなってしまう子供もいます。
③新学期の変化
毎年4月になると進級や進学で学校や教室が変わります。進級や進学は毎年発生し、その都度「教室の位置や室内」「クラスメート」「先生」などがガラッと変化します。そのため進級などで不安定になってしまった子供は1ヶ月程度日常生活においても落ち着けない事があります。
また変化が苦手なお子様は逆に言うと変化のない物を安心して好む傾向があります。代表例は電車です。電車は時刻表が定まっており、決まったレールの上を連なった車両が規則的に走っています。これも規則正しいルールがあり、電車もそれに則った動きをするので安心して見る事が出来るためだとも言われています。また「記号」「時刻表」「ロゴマーク」「数字」「アルファベット」などが子供が好む変化の無い代表的な物事になります。環境の変化に対応出来ない時は安心するものを活用していきましょう!対応法に関してはまたの機会に紹介したいと思います。
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