高等専門学校と高等専修学校について
発達障害をお持ちのお子様にはこだわりが強さも相まって特定の分野に秀でている場合がよくございます。この特定分野に秀でていることを活かすために、中学校から高専に通うという選択肢がございます。そこで今回は発達障害のお子様の進路選択肢の一つとして高専をご紹介したいと思います。
まずこの「高専」という単語ですが、日本では高等専門学校と高等専修学校の二つが混ざったまま指していることが多いです。そこで今回は高等専門学校と高等専修学校の二つを区別してご紹介したいと思います。
①高等専門学校について
高等専門学校は法律上、中学・高校・大学と同じ区分に分類される5年一貫(商船学科は5年6ヶ月)の専門学校になります。中学・高校・大学と同じ分類のため、高専3年生を修了すれば大学への入学資格が、高専5年生を修了(卒業)すれば大学3年生への編入資格が与えられます。学科は大きく工業系と商船系の学科に分かれ、工業系、商船系以外にも経営情報学科、情報デザイン学科、コミュニケーション情報学科、国際流通学科を設置している学校もございます。現在高等専門学校は57校あり、設置者別の内訳は、国立51校、公立3校、私立3校となります。国立高専・私立高専全校には教育寮として学生寮が設置されていることも大きな特徴です。全寮制の学校は少なくなっていますが、通常の高校より寮生の割合が高いです。
また入試は学力がある程度要求されます。そして高専は若年次から実践的な工業、船舶等の専門教育を行い、レポートや課題が多く課されます。この課題がこなせずに留年をしてしまう生徒も発生しますが、5年間鍛え上げられるために卒業生は産業界からは即戦力として高い評価を受けています。求人倍率と就職(内定)率が非常に高いことも高等専門学校の特徴です。
②高等専修学校について
一方、高等専修学校は高等専門学校と異なり学校教育法第124条の「専修学校」という区分に分類されます。中卒程度の人を募集対象にしており、通常は修業年限が3年以上となります。高専が「学校」という特色が強いのに対して、高等専修学校は「職業訓練所」としての特色が強いです。分野は工業、医療、衛生、農業、教育・社会福祉、商業事務、服飾・家政、文化・教養の8つとなり、非常に幅広いことも特徴です。
また高等専修学校の入試は学校ごとに様々な形式で行われることが大きな特徴になります。高等専修学校の入試は科目数が大幅に少なく難易度が抑えられていることが多いため、学校の勉強についていけないお子様でも入学が可能となります。ただし高等専修学校によっては卒業をしても大学入学資格である「高卒」の資格が得られない場合があります。その場合連携している通信制高校の授業を履修して、通信制高校の卒業に必要な単位を取得する等の対応が必要となってきます。
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