学習障害(LD)について
今回は学習障害(LD)についてお話ししたいと思います。学習障害(LD)は英語ではLearning Disabilityと呼ばれる発達障害の一部です。文部科学省の定義では、全般的な知的発達に遅れがないものの「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうちいずれかまたは複数のものの習得・使用に著しい困難を示す発達障害とされています。(参考http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/004/008/001.html)
学習障害(以下LDとします)は通常「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」の一部の能力だけに偏って困難がある場合が多いです。そして困難の現れ方によって主に「読字障害(ディスレクシア)」「書字表出障害(ディスグラフィア)」「算数障害(ディスカリキュリア)」の3つに分類されます。
学習障害は他の発達障害と同じく脳機能の偏りが原因ではありますが、根本的な医学的な原因ははっきりとは解明されていません。現在は生まれつきある脳機能の偏りが後天的な環境と重なって相互に影響することで得意・不得意の偏りとなり、成長・発達過程の途上で学習障害の症状として現れるという説が近年有力です。以上からLDは他の発達障害と同じく親の子育てのしかたや子ども自身の努力不足といった後天的なものによるものではなく、先天性の障害だと言われています。
また他の発達障害と異なり小学校に入学して本格的な勉強を開始してからLDに気づくことが多いことが特徴になります。多くのお子様は知的発達に遅れがみられないことから幼児期に周りの人たちが気づくことはあまり無く、読み書き計算が始まる小学生から徐々に傾向が判明することが大半です。
お子様にLDの傾向が分かった場合、大切なことはお子様の特性を理解してサポートを考えることです。LDは先天的な要因もあるため、しつけや育て方が直接の原因ではありません。単純な努力での解決が難しいからこそ、 焦らずに本人のペースに合わせて学習を行い、よりきめ細かい教育や指導を行うことが大切になります。 LDだからといって決して悲観的にはならないで下さい。
LDを乗り越えた有名人もたくさんいます。代表的なところですと、俳優のトム・クルーズさんやウーピー・ゴールドバーグさんは本を読むのが苦手で幼少時代に苦労したと言われています。黒柳徹子さんも計算障害と読書障害であることを告白されています。お子様の将来を狭めないためにも、LDとしっかり向かい合ってサポートをしてあげましょう。
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