忘れるパターン分けと忘れ物への対策(3)
以前の記事(https://www.dd-anchoco.net/posts/5324388 https://www.dd-anchoco.net/posts/5363299、https://www.dd-anchoco.net/posts/5400018)にて発達障害のお子様に非常に多い忘れ物への基本的な対応、並びに特徴に沿った対策をご紹介してきました。今回は忘れる過程が②記憶しているが適切な時に思い出せない時のパターンについて対策をご紹介していきたいと思います。
そもそも忘れることに対して、記憶しているが適切な時に思い出せないとはどういうことだ?という疑問が湧くと思います。これば例えば17時に提出締切の課題があったとして、15時~18時まで遊ぶことに熱中していて提出締切を過ぎてしまった18時に思い出した時が考えられます。締切を過ぎると提出忘れ扱いになるため本人が忘れていなくても対応が必要です。
思い出せないことへの対策ですが、
・お子様に時間を意識させること
・お子様の中の優先順位付けを付ける
ことが大事なこととなります。時間の意識や優先順位を付ける動作は基本的にお子様は苦手としており徐々に身に着けていくものです。お子様の成長に合わせて対応していくこととなります。
●提出物のスケジュールを作成してもらう
適切な”時”に思い出せずに大変になるものとして、提出物があります。まずは提出物のスケジュールを作成してもらいましょう。手帳やカレンダーなどの日程(時間)が書かれているものを用いて作成するのが良いでしょう。この時に大事なことは必ず本人にやって頂くことです。ご両親が代わりにやっていると何時まで経っても成長しません。お子様にはスケジュールを書く習慣が身につくまで、後で忘れたとしても叱らないであげましょう。
お子様に手帳やノートで管理してもらうと、手帳そのものを無くすことも考えられます。また本人だけでなくご両親もチェック出来ると良いため、始めはリビング等の家族共有のスペースに大きなカレンダーなどを買って書き込む形にする良いでしょう。
●熱中するものをやる前に対応する
熱中するものをやる前に対応する習慣付けも大切です。特に発達障害のお子様は好きな物に熱中してしまうと周りが一切見えなくなり忘れてしまうことがよく発生します。そのため熱中するものをやる前に対応する習慣付けが非常に重要となります。ここで問題になるのはお子様が好きな物に意識が行ってしまい、やることを拒否してしまうことです。これは行動の切り替えにあたりますので、切り替えの難しさへの対応法(https://www.dd-anchoco.net/posts/4720588)を参照しながら対応して頂ければと思います。
●前に出来ない時は対応する時間を考えてもらう
例えば学校から帰った後、お友達と遊ぶ予定があった時は遊ぶ時間が限られているために遊ぶ前に宿題などをすることが難しい時があると思います。このような場合にはお子様に対応する時間を考えてもらいましょう。例の場合だと帰宅してご飯を食べる前などが考えられます。
お子様が小さい場合は両親から対応する時を指示してあげましょう。お子様が大きくなった場合は対応する時間をお子様自身に考えてもらいましょう。考えてもらう時に注意するポイントは①先延ばしをしていないか②熱中するものの後になっていないかの2点です。①の場合は提出日の前日までやらない、②の場合、好きなテレビを見た後にやる等があります。課題を前日まで一切行わない時には、全てを前日以前にやってもらうことは大変なので難しい課題についてのみ前日より前から始める様にしましょう。好きなものの後にやる場合は必ず前に移してもらいましょう。
そしてお子様と対応する時間を決めた後、実際に取り組む時になってお子様が嫌がったり始めないことがよくあるかと思います。この時にはやったら自由だよ等と励ましてあげて始めたら褒めてあげましょう。前に言った約束を「言っていない」「自分は認めていない」等と言って約束を守ろうとしないお子様もいるかと思います。その場合、約束をする際に言うだけでなく約束を文面に残しましょう。高学年以上では約束を本人自身に書いてもらいましょう。お子様が成長して反抗期に入ると、両親からの一方的な約束を押し付けられる感覚を持って反発することもありますので、お子様と両親双方が約束を守りあう姿勢をお子様にアピールしましょう。
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