WISC(ウィスク)知能検査について

今回は現在の日本において最も児童向けによく使われる知能検査であるWISC(ウィスク)の概要を説明していきたいと思います。 WISC知能検査はWechsler Intelligence Scale for Childrenの頭文字をとった通称です。ウェクスラー(Wechsler)という方が1938年に刊行された知能検査を起源としています。 時代と共に知能検査の改定が行われており、現在では年齢別に

幼児用(3-7歳)はWPPSI(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence)

児童用(5-16歳)はWISC(Wechsler Intelligence Scale for Children)

成人用(16-89歳)はWAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale、通称ウェイス)

という3つの検査法に分割されています。WISC、WAISは分割後も改定が続いており最新版はWAIS-Ⅲ、WISC-Ⅳになっています


ウェクスラー式の知能検査の特徴

いずれの検査も専門家(臨床心理士)が受検者と1対1で行う個別式の検査になっています。試験時間は検査形式によって変化しますが、臨床心理士は試験だけでなく試験への取り組み方やこだわり等の試験外の項目もチェックします。

ウェクスラー式知能検査は言語性IQと動作性IQという測定概念を用いて、個人内差(個人の得意不得意)の測定を試みたという点が大きな特徴として挙げられます。

IQという尺度で脳機能の凸凹を確認が出来るために、脳機能発達の凸凹から発生する発達障害を見極める上で重要な手がかりとなります。また脳機能の凸凹を確認できるために脳機能が全般的に低い知的障害と発達障害を見極める判断材料ともなります。


ウェクスラー式知能検査を受ける際の注意点

一番大切なことはウェクスラー知能検査の結果のみで発達障害かは判断がつかないことです発達障害の検査でよく使用されますが、あくまでも診断材料の一つということです

また何度も繰り返し受けることは望ましくないです。受けるには最低でも1年、できれば2~3年の間隔を空けることが好ましいとされています。同じ問題を繰り返し受けることにより受験者が回答を覚えてしまう恐れがあるためです。

受診機関によって検査を受ける料金が大きく異なります。お子様の場合教育センターなどで無料で受けることも可能ですが、公的病院では保険が適応されて安く受けられ、民間病院では保険が適応されず高額となります。また病院で検査を受ける場合は診断書や報告書作成に料金がかかる場合がありますのでご注意下さい。


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