発達障害と感覚過敏について

発達障害のお子様は、定型発達のお子様には見られない物事の捉え方、受け取り方、感じ方をすることが明らかになっています。そして一部の感覚に過敏になったり逆に鈍くなることがあります。幼いころは特に自分の気持ちをうまく伝えることができないために発達障害の子どもは沢山のストレスを抱えてしまいます。ですので今回は感覚過敏について説明していきたいと思います。


発達障害のお子様でよく聞かれるのが聴覚過敏です。普通の人にはなんでもない音が耐え難い騒音に聞こえたり聞きたくない雑音まですべて耳に入ってくるので授業や会話の妨げにもなるといいます。 聴覚過敏は年齢や性別に関係なく起こり、症状の度合いや気になる音も様々です。不快感をもたらす例としては「人と人が会話している声」「救急車やパトカーのサイレンの音」「打ち上げ花火の音」「駅や街中での人ごみの雑音」「子どもの泣き声、高い声」「ゲームセンターやボーリング場での音」「ドアの開け閉めやノックの音」「雨戸を閉める音」「食器と食器が触れ合う音」「スピーカーから流れる音」「人の声やくしゃみ、咳」などが挙げられます。

これも他人にはわかりにくいですが触覚過敏というのがあります。触覚過敏のある人にとってはなんともない皮膚への接触が、針で刺されるくらいの痛みとして感じていることがあります。触覚過敏のある人がどのくらい辛いのかというと、ある人は「シャワーを浴びることは、針で刺されたような痛み」なのだそうです。定型発達の人には想像もできない感覚ですが、触覚過敏を持つお子様にとっては毎日の入浴がストレスであり恐怖になります。不快感をもたらす例としては、「爪切り、耳かきをとても嫌がる」「砂、水などを過剰に嫌がるか過剰に好む」「人に触られることを嫌がる」「過剰にくすぐったがる」「人が近づくと避けたり、逃げたりする」「帽子、メガネ、マスク、ハイネックの上着、靴下などを脱いでしまう」「整列時に友達を突き飛ばしたり、トラブルが多い」「爪かみや指なめが多い」等が挙げられます。

視覚過敏の例としては光への過敏症があります。太陽の光や、照明の光がまぶしすぎる、日当たりで長時間過ごすと目の疲れから頭痛や吐き気などをもよおす場合があります。また学習障害である「読字障害」も、視覚過敏からきている場合があり、文字がぶれて見えたりぼやけたり左右が反転して見えることがあるといいます。文字を正しく拾うことができないので、文字を書いたり、文章を読むことが困難になるのです。

嗅覚過敏は普通では感じない臭いが気になってしまうもので化粧品や石鹸の香り、ご飯の臭いですら苦痛に感じることもあります。嗅覚過敏があるために体調を崩すこともあり、臭いに敏感なために食べ物が食べられないなどという事も起こります。

味覚過敏は甘味・酸味・塩味・苦味・旨味の5つ味のどれかまたは複数の味覚が苦手で食べられないことがあります。野菜などに含まれる苦味や薬の苦味を強く感じると、食べられない飲み込めないということがあります。料理の素材や味付けによって食べられないものが出てくるため、好き嫌いが多くなります。単なるわがままや偏食ではないのですが、周りからは誤解されやすい部分です。


感覚過敏は人によって異なるため、本人の痛みや辛さが周りの人には伝わりにくいという特性があります。これらの過敏への対処については後日改めてご紹介したいと思います。

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